続・危険なアイツと同居生活
駅のトイレで金髪のカツラと眼鏡を装着する。
ネクタイにこの姿。
違和感ありありだった。
でも、仕方が無い。
バレたら優弥に怒られるから。
Fのイメージにヒビが入ると。
周りの痛い視線を浴びながら、ようやく辿り着いた居酒屋。
そこにはすでにカズがいた。
奥の四人席に座っているカズ。
Tシャツにジーンズ姿。
そして、その髪は俺のカツラのように金髪だ。
カズは俺とは違う。
俺みたいに半端に音楽活動をしているわけではない。
音楽活動に全てを注いでいるのだ。
俺を見るとダルそうに手を上げ、
「ザキ」
俺を呼ぶ。
「遅くなってごめぇん」
たいして遅刻もしていないのに、俺はそう言ってカズの前に座った。