続・危険なアイツと同居生活
「なんで……F?」
固まったまま、俺はかすれた声で聞いていた。
カズは上を向いて、ふっと笑う。
その表情は、何だか中山と似ていた。
「だって、Fはすげぇだろ。
活動休止していたのに、この前のライブ。
Zeppを満員にして、大歓声で。
俺もマジで感動した」
「そ……そう……」
何も言えない。
ひたすら穴に入りたい。
まさか、カズもあのライブに来ていたなんて!
「Fってすげぇよな。
あの若さですぐに人気者になって。
曲もどれも難しいのに、パフォーマンスは完璧。
ブランクすら感じさせなかった。
今は碧、サラリーマンなんだってな」
「そ……そう……」
俺はガクガク震えていた。
もう、居心地が悪すぎて仕方が無い。
俺は碧じゃない、ザキだと必死で言い聞かす。