続・危険なアイツと同居生活
「俺の方こそ、デビュー前からすげぇ奴と知り合いになってしまった。
正直ヒビったよ。
ずっとお前らを追いかけていたからさ」
「カズ……」
やばい。
胸にぎゅっとくる。
俺は相変わらず泣きそうな顔でカズを見ているのだろう。
そんな俺を見て、カズはおかしそうに笑った。
「マジで尊敬だけど、マジで馬鹿なんだな、お前ら」
うん。
俺たちは馬鹿の集まり。
こんな馬鹿でも、本気を出したら凄いんだ。
「今日のライブ、頑張ろうね」
そう言うと、口元を歪めて頷くカズ。
そんなカズに安心する。
「ライバルだから。
キングには負けないよ?」
「当たり前だ」
俺たちは手をかざし、ハイタッチをする。
そして、各々の控え室へと戻っていった。
心の荷がすっと降りた感じだった。
これで、思う存分碧になりきれる気がした。そうだよね。
中途半端は許されない。
ライバルに負けないためにも、最高のパフォーマンスをしなきゃ。