続・危険なアイツと同居生活
思わず立ち止まったあたしは、どんどん後ろから溢れ出てくるエキストラに押され、よろめく。
そして地面に倒れこむ。
身体に痛みが走った。
もう、何してんだよ、あたし。
悔しくて、悲しくて、涙を必死で堪えた。
「唯、大丈夫?」
遠くから亜美の声が聞こえる。
だけど、群衆に押されてどんどん離される。
こんな惨めなあたし、これ以上ここにいられない。
こんな不幸な顔をしているのが、MVに映ってはいけない。
「すみません。
気分が悪くて……」
そう言って人ごみをかき分け、室内へ戻る。
そして、女子トイレに駆け込み……
あたしは泣いた。