世界の隅
01
「ねぇ、お姉さん?」
『…』
道を歩いていると、不意に誰かに声をかけられた。立ち止まらずに視線だけを向ければチャラチャラした男が数名。
また視線を前に戻そうとしたとき、腕に締められる感覚を覚え、瞬間的に振り払った。触られることさえも嫌で、ジロリと睨み上げた。
男は一瞬怯み、短い悲鳴をあげあが何事もなかったように話しかけてきた。
「振りほどくなんてヒドいじゃん」
「遊ぼーよ」
…
こうゆう類の男はしつこいことを知っている美希は最終手段に移った。
『じゃあ、屈んでくれる?』
「…あ、あぁ、いいぜ」
簡単に体を屈ませた男にニヤリと笑い、横腹に回し蹴りを食らわせた。
尋常じゃない痛みに声も出せず、地面を這いずり回っている。その出来事に怖じ気ついた他の男は冷や汗が浮かんでいた。
『この事、広めたら…』
「い、言いません!!……行くぞ」
男達は地面にうずくまっている仲間をおいて逃げていった。
あぁ、やっぱり人間はツマラナイ。
残された男にハンカチをヒラヒラと落とし、その場を後をした。