世界の隅
縁側に行くと静かに酒を飲んでいる、まだまだ若々しいじいちゃんがいた。若々しいといっても60歳で、申し分ない年相応なスタイル。
『ただいま、じいちゃん』
「おお、おけーり」
『………体冷えちゃうよ?』
「そんな弱かねぇよ」
と、酒んグイッと飲み干すと注いでくれというようにお猪口を差し出す。はいはいと隣に腰をおろしお酒を注ぎ足した。
「そう言えばな、さっきまで藤川組が来てたぞ」
『じゃあ、秋さんも来てたの?』
「あぁ」
秋さんと言うのはじいちゃんと同い年で昔から交友があり親しい関係だ。私もよくお世話になっていた。
久々に会いたかったなぁー。
のんびりと夜空を見上げていると1人のスーツを来た組員がやってきた。
「頭、少しよろしいでしょうか」
「あぁ。美希も早く寝ろよ。お休み」
じいちゃんの背中を見送り、私はお風呂場へと向かう。
ここの家、屋敷は“咲良組”の仕切る組の奴らが住まわっている。
さっきの、陽也や静も幹部でどちらも腕が良くて組長も頭であるじいちゃんも頼り2しているほど。
おばあちゃんは元は一般人であるためいつもは奥の居間に1人静かにしているが家事などはよく一緒にし、母のように慕っている。
あ、ちなみに両親はちゃんといる。
ただお母さんが経営している大企業の仕事をお父さんも手伝っているため組は継いでいない。もちろん、じいちゃんも元気なため頭を降りる気はさらさらない。