自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



次の日、案の定朝から蘭子に会ってしまった。


目の前には目を大きく開いてびっくりした表情の蘭子。


あー………この顔させたくなかった。


「どうしたの……そのケガ……」

「あー……昨日の帰りにヤンキー集団に絡まれちゃった♪」

「嘘……なんかあったでしょ?正直に教えて?」

「ほんとだって!だからボコボコ」

「そんなはずない。諒哉はケンカ強いから」

「調子悪くてさ~」


誤魔化して笑っても、悲しそうな顔になる。


悲しそうな顔すんなよ………。


俺の口の傷に細い指をそっとあてて、ゆっくり撫でた。


目に涙を溜めながら。



「ケガすんなバカ………自分傷付けて何が楽しい?ケンカしないで……」

「はいはい。心配ありがと」

「あたし本気で言ってんだけど。……せめて側にいさせて…」

「ごめんな。もうちょい待っとけ」


俺の制服の裾を引っ張る手に気付かないフリ。


振り向かないで前に進む。


今だけ……側にいてやれねぇ。


ごめん、蘭子。


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