自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



でもまた顔の傷が増えてる………。


痛々しく絆創膏からはみ出た生傷。


ボロボロだ……。


どうしたの諒哉?


あたしの知らない諒哉がいる気がする。


「じゃあ、ゆっくりして行ってね~」

「あっ、ありがとうございます……」

「いいのよ!諒哉の可愛い彼女なんだからっ♪」


若くて美人なお母さんが部屋から出て行き、二人きり。


気まずい。


どうしよう………。



「なしたの?蘭子から来るなんて珍しいじゃーん!」

「さすがに、あれだけ電話シカトされたら心配もするでしょ」

「心配してくれたの?嬉しいー♪」

「バカ。……ねぇ、その傷どうしたの?」

「あーこれ。階段で転んだ」


分かりやすい嘘。


階段で転んでそんな生傷するかっての。


それに……ベッドに座る諒哉を見て思った。


動きが変。


「あとは……どこケガしてんの?」

「してねぇって!これ、ガチな方で!……いって!!」


諒哉のあばらにズイッと指を指せばこの通り。


ギブスしてる。


あばらの骨折。


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