自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
あたしの彼氏はとことんバカだ。
あたしに嘘つけると思ってんの?
そんな単純な嘘、すぐに見破れるに決まってるのに。
「ほんとのこと言え。言うまで帰ってやらない」
「じゃあ言わね。言ったら蘭子帰っちゃうんだろ?」
「………言わないなら帰る」
「ったくもー………わがままで頑固な彼女ちゃんだこと」
隣に座るあたしの肩を抱き寄せた。
その言葉言いたいのこっちだってば。
どんだけあたしに隠し事したいのよ。
「柄の悪ーい集団に絡まれてこの様。銀も大地も一緒」
「電話ぐらいちょうだいよ」
「暇なかった。ほんとにごめんな~」
「………別にいいけど」
「あー!もう拗ねんなって!」
拗ねてない。
自分にイライラしてるだけ。
諒哉が抱えてることを支えきれない自分が腹立つ。
少しくらい教えてくれてもいいじゃんか。
安心させるように撫でられる頭が、もどかしくて………
そんなのいらないからツラさ分けて。