自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
夕方の誰もいない校舎裏でひたすら待つ。
すると後ろから砂利を踏む足音。
「校内トップの諒哉くん♪準備万端?」
「咲斗……。準備万端に見えるだろ」
「あれー?俺には見えないけど。え、まさか3人で相手する気?」
「だとしたら何か文句あんのか?」
見下した笑顔を浮かべる咲斗。
いつもより低い声で珍しく好戦的な銀。
あぁー……今日のケンカはいつもよりちょっと楽しそう。
「ごめんね~。3人に対して15人連れて来ちゃったけど大丈夫?」
「全然平気~!そう簡単にトップ譲れねぇし」
「いいね。そのやる気嫌いじゃないよ」
全然平気じゃないんですけど!?
え、俺らフルボコじゃん!?
くそ~………もうちょっと味方つけるべきだな。
でも集団嫌いなんだよね、俺………。
「何ボケッとしてんだよ。一人5人相手する計算だ……」
「任せとけって♪咲斗くーん!ボコボコにしちゃうよっ!」
「待ってるね」
後ろに下がった咲斗を取り囲むようにした15人のヤツら。
ケンカの始まりだ。