自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



この二人に絶対的信頼は、ずっと前からある。


あとは俺がどう動くか。


深呼吸して………冷静になれ。



「かかれー!!」


向こうの男達の声で始まる咲斗と俺のトップ争い。


去年が鮮明に思い出してくるな……。



『俺がトップになる。諒哉なんかに譲れない』

『ケンカしても手痛いだけじゃん。争うのやめね?』

『へぇ~………諒哉って案外弱気?ガッカリだよ』


安い挑発に乗っかってケンカ始めたんだっけか……。



けど、今は違って。


相手より先に倒れるもんか、って気持ちで殴る俺の目に映るのは血が滲む銀と大地。


負けんの絶対ヤダ。


論外。



「おい!諒哉ー!!」

「なんだよ!?」


相手の胸ぐら掴んでる大地に呼び止められる。


もう顔中傷だらけ。


「雑魚は俺と銀に任せとけ!お前トップだろ!トップなりにケンカすれよー!!」

「はぁ!?トップなりのケンカって……」

「要は咲斗と殴り合いしとけってことだバカ」


銀に頭をポカッと叩かれた。


俺、ガッツリお前らの味方なんですけどね!!


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