自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
初めて知った嫉妬
【蘭子side】
「蘭子ちゃーん!もちろん、桜井くんにあげるでしょ?」
「……何を?」
2月の肌寒い教室内で、ピンクのブランケットを膝にかけたありすが聞いてくる。
あたしの問に頬を膨らまし不機嫌の合図。
大きなくりっとした目があたしを捉えた。
「バレンタインだよ~!」
「あ~忘れてたわ」
「好きって素直に伝えられる絶好のチャンスの日です♪」
「そうだねー」
「むぅ~……蘭子ちゃん興味ナイの?」
ないってわけじゃないと思うけど………
ほんと全然なんも考えてなかった。
でも、確かに言われてみればさっきからクラスの女子が騒いでたね。
今でも、香水くさい中でキャッキャうるさい。
「え~!誰にあげようかしら~!」
「あたしは諒哉くん♪本命でねっ」
「えー!ずるい!あたしもっ!」
諒哉にあげるって、どうゆうことよ。
本命で、ってあたし彼女なんだけど。