自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
授業始まりのチャイムが鳴って、ダラダラと女子は席に着く。
やっと静まった……。
それにしても、諒哉ってモテる。
ルックスもそうだけど、ヤンキーとは思えない程の人懐っこさと笑顔。
誰にでも優しくて人当たりもいい。
………モテて当たり前か。
一日中モヤモヤしながら、下駄箱に向かってれば背中にポスッと当たる何か。
諒哉だ。
「蘭子~!なんで先帰っちゃうのさ!」
「あ、ごめん。バイクじゃないの?」
「寒くて無理!ね、一緒に帰んね?」
「別にいいよ」
「んじゃ、帰ろっか」
ほら、この素直そうな笑顔。
これがたくさんの女子を魅了するんだと思う。
なんだか諒哉って、ズルイ………。
二人で下駄箱にいると、通りすがる女子が諒哉に向ける視線。
好きってモロバレ。
「諒哉くん!バイバイ!」
「おう!また明日っ♪」
モヤモヤ増してく。
腹立ったから、今日はあたしから諒哉の手繋いでみた。
「なしたの!?」
「嫌、だった?」
「いや。かなり嬉しい!」