自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



ほんとは嬉しいんだけど、あたしは素直になれない。


だから、諒哉の率直な意見に「ありがとう」が言えないし。



「蘭子」

「なに?」

「今度、俺と泊まりしよっか!」

「……なんで?」

「すっぴん見放題♪」

「ぜーったいに化粧落としてやんない」


嘘。


そんなに褒めてくれるなら、泊まりした瞬間にすっぴんでいいよ。


諒哉が好きって言うならね?



「なぁ、蘭子。背中に頭グリグリしてないで顔見して?」

「…ヤダ」

「あっ!もしかして、すっぴん褒められて照れてんの~?蘭子ちゃん♪」

「てっ、照れない」

「やーっと顔上げた」


顔を上げて諒哉の顔を覗き込んだ瞬間、整った顔が近づき触れた唇。


キス………された。


「ごちそうさまでしたっ」

「……お粗末様でした」



完全に諒哉のペースにのまれた。


悔しいけど、好きだから許しちゃう。


不慣れながらに、亜夕のお世話頑張ってたの見て惚れ直したよ。




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