自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



下駄箱で待ち合わせる放課後。


一人で降りしきる雨をジーっと眺める。


せめて、1年記念ぐらい晴れててほしかったんだけど………


去年も雨だったから仕方ないか……。



「蘭子!ごめん、待たせた!帰ろー!」

「帰る。……傘は?」

「傘忘れた」

「わざとでしょ?」

「バレた!?」


バレバレに決まってんじゃん。


天気予報で降水確率90%って言われてんのに、忘れるヤツいますか。


呆れるわ……。



「ごめん!蘭子と相傘したくて……」


なんて苦笑気味に言う。


そんな風に言われたら、怒れなくなるじゃんバカ………。



無言で諒哉に傘を渡せば、満開の笑顔で傘を開きあたしを抱き寄せた。


「相傘っていいよな~。こんなに距離近くなるんだぜ!?」

「声デカイ。うっさい」

「だって嬉しいからー!」



あたしの方に傘傾け過ぎて、左肩びしょ濡れなのにどうしてそんな喜べるのよ……。


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