自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
今日もまた飽きずにどしゃ降り。
そして、懲りずに傘を持って来ないであたしの傘に入る諒哉。
「傘持って来たら?」
「ヤダヤダ!蘭子と相傘したいもんっ!」
「そんな風に言っても可愛くないから。いい加減持って来な」
「え~………やっぱさ、持ってこないと迷惑?」
「そうゆうわけじゃ……」
堂々と入ってくるくせに、あたしに傘を傾けるから肩びしょ濡れじゃん。
そんなくだらない理由で、諒哉が風邪引くの嫌だし……。
困るな……ほんと。
ほら、今日もニコニコ笑いながら諒哉の制服は濡れてる。
バカ………。
「駅行くかぁ~」
「待って。あたしアメ食べたいから、コンビニ寄って」
「アメ?蘭子がアメちゃん食べたいなんて珍しいな。まさか!喉痛いの!?大丈夫!?」
「気分よ。気分」
諒哉と二人で入る駅に近いコンビニ。
ほんとは、アメなんてほしくない。
あたし不器用で素直じゃないから、遠回しにしか言えないや。