自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
だって“一緒にいたい”なんて素直に言えるはずない。
まだ一緒にいたい口実。
ごめん、諒哉。
「俺、チョコ食べたいなぁ~。あー!これ、小学生ん時によく食べてた!」
「おいしいの?」
「めちゃくちゃうまい!蘭子にもあげる」
チョコを掴んで嬉しそうに、あたしに着いて歩く。
どのアメにしよう。
甘いミルク系か、のど飴系か、果物系か……。
うん、果物に決めた。
「蘭子。貸して」
「え?」
「それぐらい俺が買ってあげるよ!」
「いや、いい。いっつも、お金出させてる気がするし……」
「いいから!彼女の前ではカッコつけたいんだって♪」
レジに持ってく後ろ姿に「ありがとう」と呟けば、笑顔で返してくれた。
ドキッ……心臓が跳ねる。
今日買ってもらったアメはきっと特別な味がするんだろうね。
「はい!蘭子のアメちゃん」
「どうも」
「いーえっ」
頭を撫でて満足そうな顔に、癒される。