自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



コンビニを出るとまだ降りしきる雨。


止む気配はないから、二人でコンビニの軒先でチョコとアメの袋を開けた。


諒哉から甘いチョコの匂い。


「じゃ、蘭子にはイチゴのチョコをあげよ~」

「ありがとう。……ん、うまい」

「だろ~?俺、このチョコにハマり過ぎて虫歯になったぐらいだもん」

「ちゃんと歯磨かなきゃ」

「ほんとよ。もう、歯医者は嫌だ!」


甘くて……おいしい。


この雨なんて、どーでもよくなっちゃう。



あたしはアメの袋を諒哉に傾けた。


何種類もある果物のアメ。


「1個あげる」

「おー!サンキュー!あ、蘭子が今食べてる味何?」

「ピーチ」

「俺もピーチがいい!でも、見付かんねぇから……こっちでいいや♪」


可愛く笑ったと思ったら、あたしの頭の後ろに手を回して引き寄せる。


自然とたった一瞬重なった唇と……


割り込まれてとられたピーチのアメ。



「1年一緒にいてくれてありがと。これからもよろしくなっ」


記念日過ぎたけど………


大切にしてくれてるじゃん。


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