自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



鼻をくすぐる良い匂いで目が覚めた。


石鹸のような香り。


しばらく目を閉じてその香りに酔いしれてると嫌な匂いに変わった。


あたしの大嫌いなタバコの匂い。



パチッと目を開け匂いの方向を見ると、部屋の壁に寄り掛かってタバコを吸ってる諒哉。


ずっと見てると視線に気付いて優しく笑った。



「あ、おはよ。蘭子」

「……かなり不快。身体は痛いし、タバコの煙吸うし」

「ごめん……。なんか、すげー動揺してて……蘭子とシたって実感湧かないし…。冷静になるために吸った」

「そんなにあたしは記憶に残らない女だった?」

「ちげーよ。嬉し過ぎてさ」


ふわっと笑う諒哉の側に行きたくて、起き上がるといつの間にか着てある服。


諒哉のTシャツがワンピース状態。



隣に座って、タバコを取り上げた。


この匂いほんとに嫌い……。


灰皿にタバコを押し付けて火を消す。


「よく知ってるね、消し方。吸ったことあるの?」

「ない。元カレが吸ってたから消し方自然と覚えた」


寝起きのタバコが嫌すぎて、若干諒哉に八つ当たり。


子供くさいあたし。


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