自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
【諒哉side】
鼻歌混じりに廊下を歩いて、ドアを開けた先にはボロボロの空き教室。
床に座ってダルそうな銀と、窓から顔を出してタバコを吸ってる大地。
気が付けば俺らが自然に集まる場所になった。
「お、おはよー諒哉!今日なんかテンション高いな~!」
「テンション高過ぎてうざい。くそ暑いのによくもまぁ……」
「だって最近、さらに蘭子とラブラブだし♪毎日が楽しくてー!」
「ノロケは外でして下さーい!」
うるさく口笛を吹く大地の頭を、銀たんが扇子でバシッと叩いた。
昔から銀は夏大嫌いだったなぁ~。
小学生ん時も外で遊ぶより、クーラーの効いた部屋でゲームしてるようなヤツだったし。
なのに、ケンカ強いってのが不思議。
「暑いなぁ~。この気温なのにまだ7月だぜ?今年の夏ヤバそう!」
「バイクで海行きたーい!蘭子と行って来ようかな~」
「彼女羨ましいぞ、コラ!諒哉はまだ分かる。なんで銀たんに出来て俺に出来ねぇの!?」
「うるせー。俺、案外モテるから」
「銀たんのこと友達じゃなかったら、ぶん殴ってた♪」
暑苦しいからケンカやめろー!