自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
それからショウに会うことはなくなった。
メールとか電話とかきたけど、全部シカトするようにしたし。
なのに、諒哉に空き教室に呼ばれたあたし。
2時間目と3時間目の間の休み時間に指定された空き教室へと行った。
「蘭子!3時間目サーボろっ!」
「サボる?なんでよ」
「だって蘭子がなんか悩んでるっぽいから。嫌なことでもあったの?」
そう言って両手を広げる。
あたしはその腕の中に飛び込んだ。
ぎゅっと抱きしめてくれる安心感に身を委ねる。
「諒哉すごいね……。なんでもお見通し」
「蘭子のことだけな!で?俺に聞かせてくんない?無理して話さなくてもいいけど」
「………元カレがしつこい」
「元カレ?中3の時に付き合ってた男?」
「うん。メールとか、電話で復縁迫られる」
「それは嫌だな。どうすっかな」
んーっと考えた表情をして、またいつもみたいにふわっと笑った。
「名前教えて?」
「……杉谷祥太。回りからは、ショウって呼ばれてる」
名前なんて何に使うんだろ。