自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
朝の人がまばらな教室で一人で本を読む。
ありすがいないと暇で仕方ないし、ずっとスマホをいじっててもバッテリー減るだけだから読書。
最近流行ってるらしい恋愛モノの小説。
本を読み進めてると、隣の席にピンクのリュックがドンッと置かれた。
はっと顔を上げるとニコッと笑ってるありすが。
「蘭子ちゃんおっはよ〜♪それから、お久しぶりですっ!」
「…ありす。久しぶり、おはよ」
「メールありがとう!心配かけてごめんね〜」
「ほんとに大丈夫なの?嘘ついてないよね?」
「大丈夫だよ〜!ありがと!」
ヘラヘラ笑うありすは、まだどこか顔色悪いような……。
けど元気そうだし、ちょっとは安心していいか。
そいえば音瀬にも会ってないのかな?
「音瀬に会ってるの?」
「ぎ、銀くん?へへっ……銀くんにも会ってないよ」
「なんでアイツ会いに行かないのよ」
「へ、部屋汚いし!断わったの!片付け苦手だからねっ」
そう、なんだ。
うん、これ以上深入りはやめよう。