自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
泣きながら打ち明けてくれたあの日から、またありすは欠席状態。
妊娠したら悪阻…だっけ?
あれがヒドイみたい。
だけど、欠席ばかりの中でたまに元気な顔して学校に来る。
そうゆう日は調子良さそうで一安心。
決まって妊娠のことについて話すのは授業中の誰もいないトイレ。
「赤ちゃんってお金がかかるんだね……。産む費用が高くてびっくり!」
「やっぱ、ありすは産みたい?」
「うん!せっかく授かった命だもん。だけどね……色々とさっ」
「あたしはありすに協力するよ。ただ……音瀬とちゃんと話なね?」
「やっぱりそうなるよね……」
父親は確実に音瀬。
お願いだから、ちゃんとありすに協力してあげてよ…。
高校2年での妊娠は乗り越える壁の数が多過ぎる。
それを崩すのも容易じゃない。
「銀くんにちゃんと話すね」
「うん。話さないとダメ」
「……ありがとう蘭子ちゃん。重たいモノ背負わせてごめんね?」
あたしは首を横に振った。
頼って話してくれたの嬉しいから。