自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
【蘭子side】
金髪のあたしでも許される仕事場は服屋だった。
諒哉と同じアパレルだよね。
行き着けのブランドだったから、おかげですんなりバイトが決まった。
「蘭子ちゃん。だいぶバイトは慣れた〜?」
「はい。なんとか。まだ不慣れな部分多いですけど……」
「大丈夫!大丈夫!これからよ」
優しく笑ってあたしに声を掛けてくれるのは店長の佐々井さん。
優しくて面倒見が良くて大好きだ。
実際、あたしは佐々井さんに習うことが多いし。
「でも偉いわねー……。大切な友達のためにバイト、か」
「…不安を少しでも取り除いてあげたかったんです」
「17歳で妊娠は不安よね〜……若いって羨ましいけど大変だわ!」
「大変です」
あたしは頷いてから立ち上がり、仕事へ向かう。
正直、人と関わるのが苦手なあたしは接客が向いてない。
最初はいらっしゃいませも言えなかったし。
今は多少は慣れたけどね。