自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
やっと音瀬とありすがアパートを借りて同棲したって話を聞いたのは、高3になったばかりの4月。
諒哉から聞いた。
「マジで頑張ってるよな〜。ありすちゃんと銀」
「だって家族になるんだよ。中途半端な覚悟じゃないと思う」
「だよな〜…。銀がまだ18じゃねぇから結婚も出来ないし」
「音瀬の誕生日いつなの?」
「7月!産まれるのが先か、結婚するのが先か!」
また大変な月なことで。
だけど諒哉は口笛を吹きながら、機嫌上々で空き教室から空を眺める。
諒哉らしいっちゃあ、諒哉らしい。
「俺さ……」
「何?」
「将来……ってか、大人になるのはもう近いけど。蘭子と結婚してーな」
「それって、プロポーズ?」
「ちょっと早いけど!予約的な?」
予約なんてしなくても、あたしはどこにも行く気ない。
この先、ずーっと諒哉と一緒にいたい。
本人には言ってやんないけど。