自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



変化が起きたのはそれから2時間後のこと。


ありすがほんとに苦しそうな表情になり赤ちゃんが産まれることを悟った。


看護師さん達もせっせと準備を進める。



病院に到着してた音瀬に看護師さん達が話してて慌ててる様子。


それを遠巻きから見守ることしか出来ないあたしと諒哉。


無力ってこのことだよね。



「ありす。頑張って来いよ」

「うんっ…!頑張る!銀くん…」


繋いだ手が離れて、ありすが運ばれると一気に寂しくなる病院。


残るのは不安と未知の恐怖心。


大丈夫………ありすなら絶対に…


「大丈夫だって!そんな暗い顔してどーすんの!」

「諒哉……」

「不安なのは銀たんとありすちゃん。蘭子まで不安になったら、ありすちゃんも不安になる」

「そう、だよね」

「はい、笑った笑った〜」


あたしの頬をむいっと摘まむ。


うん、大丈夫だ。


必ず元気な赤ちゃんが産まれて、ありすも笑顔で帰って来る。



3人で分娩室の前で、ひたすら経過する時間を過ごす。


「アイツ……ありす大丈夫か?遅くね?」

「初めてだから、とかそうゆうの関係あんのかな?蘭子分かる?」

「分かんない。けど、男の子が産むのツライとは聞いたことある」


お母さんがそんなようなこと言ってた。


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