自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



シーンと静まり返るあたし達の空気を割るようにやっと聞こえてきた……


あたし達がずっと待ってた声。



「赤ちゃん……泣いてる…!」

「おっ!産まれたー!」

「やっとか産まれたかー……。お疲れ様だな、ありす」


ずっと病院に行って疲れ切ってるはずなのに、分娩室から出て来た看護婦さんに駆け寄る。


そんな慌ててるあたし達に看護婦さんは優しく微笑む。


「大丈夫ですよ。母子ともに健康です!元気な女の子ですよ〜」

「お、女の子、ですか?」

「はい!女の子です」


あたしの方を見てびっくりした顔をする音瀬。


うん、あたしもびっくりだ。


あんなに時間掛かったから、男の子だって想像してたけど元気そうだから何より。



看護婦さんと分娩室に入ってく音瀬の背中を見送って、あたしと諒哉が残る。


「良かったなぁ〜ありすちゃん!早く赤ちゃんみたいな」

「うん。ほんとに良かった……」

「何泣きそうになってんだよ〜」

「だって……感動するじゃんっ」


よく分からない。


だけど感動して目頭が熱くなる。


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