自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
【諒哉side】
夏休みが明けたまだ暑さの残る9月。
相変わらず、銀がいない退屈な教室で机に突っ伏す。
なんか俺も学校辞めたくなって来たな〜……なんて言っちゃダメか。
この季節なら、もう試験が始まるからって焦る受験生が山ほどいるはず。
でも俺らの学校で焦るようなヤツらは多分いない。
ほとんどのヤツら進学しねぇし。
俺もそのつもり。
その時、誰かに頬をぷにっと摘ままれた。
視線を上げるとイタズラっぽく笑った舞がいた。
「うふふっ♪諒ちゃん退屈そうだったから、ついねっ」
「なーんだ。舞かよ」
「あー!その言い方失礼〜!あの金髪ヤンキーちゃんの方が良かったの〜?」
「当たり前じゃんか!」
拗ねた顔で俺の前の空いてる席に座って、机に缶の冷たいココアを置いた。
「諒ちゃんらしくないぞ〜。元気出せってこと♪」
「サンキュー……」
さすが、幼なじみってとこかな。