自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



あまりの退屈さで俺は決まって昼休みは蘭子の教室に行く。


蘭子だって、ありすちゃんがいないから相当暇してるっぽいし。



「蘭子〜。一緒に昼飯どう?」

「うん。食べる」


二人で行くのは、もともと俺ら三人がよく集まってたあの空き教室。


雑に置かれた机と椅子に隣同士で座る。


「蘭子の弁当っていっつも、うまそうだよね」

「そう?毎朝、お母さんが作ってくれるの」

「へぇ〜……俺、蘭子んちに住み込みしたい!」

「お父さんに会う勇気ある?」

「まだないです」



彼女の父親は俺らにとって一番怖い存在だからさ。


心の準備がまだ……出来てないです!


弁当を食べる蘭子の隣で、俺は購買のパンをかじる。


これ食べられるのもあと少しだなぁ〜。



強い日差しが入る窓を見詰めてると、ふと思った。


「蘭子って……進路どうすんの?」

「進路?なんでいきなり?」

「俺らってそうゆう話してねぇじゃん?だから!」


改めてお互いのこの先を知っておきたいから。


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