自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
少し目を泳がせて悩んだ蘭子が、小声で呟いた。
「専門学校……行こっかなって」
「専門学校か!何勉強すんの〜?」
「美容師の勉強。実はもう来月試験」
「急だな!!でも美容師になるんだ。蘭子っぽい。頑張れよー」
「頑張る」
そう言った蘭子の頭を撫でると、小さく笑った。
そして俺の手をぎゅっと握って囁く。
「諒哉は卒業したら、どうするの?」
「俺は今の場所で働き続けるから就職かな?瞬さんも、銀もいるし」
「そっか……。就職するんだ」
「あぁ。どうしたの?」
「ううん。なんでもない」
窓の外を眺めた蘭子が眩しそうに目を細めて、切なそうな横顔を見せる。
なんでだ……?
なんか嫌なことでもあったのかな?
俺を不安にさせたまま、蘭子は箸を置いて立った。
「参考書……取ってくる。ちょっ、諒哉?」
「今だけ俺の側にいてよ」
蘭子があんな顔したら、らしくない言葉まで出ちゃうから。