自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
いつも側にいて
【諒哉side】
思いっきり水色の空に背伸びをして、太陽に目を細める。
水色の空に映える桜が風で、大きく舞っては散ってく。
校門に掲げられた『卒業式』って看板が、ますます現実性を物語る。
今日は卒業式だ。
なんだかんだ言っても、案外ずっと通い続けた学校を卒業する。
考えてること俺らしくないな〜。
一人で可笑しくなる。
俺は自分の教室に行かないで、まずはいつも3人で集まってた空き教室に行った。
ーーガラガラ………
静かな扉の音にさえ寂しく思う。
「よっ、諒哉!」
「大地〜。また、タバコ吸ってんのー?卒業式ぐらい我慢すれよ」
「そろそろ、やめよっかなぁ〜って。嫌がる彼女が出来たんで♪」
「嘘付け〜!」
「ほんとだって!!」
大地の嘘か本当か分からない話を聞き流して、窓の外を見た。
ふと大地が寂しそうな表情で、灰皿にタバコの火を消す。
「銀たんも一緒にいたらな……。俺、3人で最後まで一緒にいたかった」
「しょうがねぇよ。生きてたら何が起こるか分かんねぇもん」
「諒哉ってマジポジティブ。尊敬!」
「バカでも笑ってりゃいーの」
そしたらうまく世渡り出来る。
バカな俺は計算して生きるより、行き当たりばったりのが好きだ。