自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



走って走って連れて来られたのは、1階にある空き教室。


あたしが桜井諒哉に助けてもらったあの教室。


「なんなの?巻き込まないで……」

「……聞きたいことある」

「はぁ?いいだけ人のこと連れ回しといて意味分かんない」

「銀のこと好きなの?」


ますます意味不明。


どうして、いきなり音瀬のこと聞かれなきゃないわけ?


それも不安そうな顔で。


「アイツのこと好きなのか?」

「好きじゃない。まず、なんでアンタは殴り合いしたの?」

「それは……関係ないじゃん?」

「あっそ。じゃあ、あたしと音瀬のことも関係ない。で、あたしは桜井諒哉のこと好きじゃないから」



おかしいな……


胸が痛い。


キリキリ締め付けられるような……。


「ん……そっか。今までしつこくしてごめん」

「別に……いいけど。……どうなるの?」

「停学、じゃない?」


切なく笑う桜井諒哉の横顔に、もっと胸がキリキリ傷んだ。


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