自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



人通りの少ない階段の昇降口。


蘭子ちゃんを階段に座らせて、乱れてよれた制服の上から俺のジャージをかけた。


こんな時に気の利く言葉さえ思い付かない………。


だから、黙って俺も隣に座るしか出来ない。


「……停学中なのに……いいの?」

「いいも悪いも関係なくね?」

「違う。また問題重ねてどうすんの?」

「あ、考えてなかった。でもなんとかなるだろ」


俺が笑うと、蘭子ちゃんはまた俯いて申し訳なさそうに言った。


「……ありがとう」

「どーいたしまして!」


その一言が嬉しい。


俺にしたら、もっと早く蘭子ちゃんを助けたかったけど。


やっぱ側にいてあげたいなぁ~……なんて思ってたり。



「……恐かった……ほんとに…恐かった…。ありがとう……」

「蘭子ちゃん?大丈夫?」

「見んなバカ……。どっか行け」


下を向いたまま、ゴシゴシ目を擦る。


もしかして、泣いてる……?


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