自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



次の日、午後からいきなり大雨が降りだした。


ケータイのニュースも、このどしゃ降り雨で持ちきり。


まぁ6月で梅雨の時期だから、仕方ないんだろうけど髪の毛うまくいかなくてヤダ………。


傷みかけの金髪をぐしゃぐしゃっとする。



帰りになっても雨が止んでくれなくて最悪。


傘忘れたし、買うとしても高校からコンビニはそこそこ距離ある。


「はぁ~………」


玄関で湿気に項垂れてる俺にもカビはえそ……。



「何やってんの?」

「へ……あ、ら、蘭子ちゃん!!」

「いつもより髪ぺしゃんこだし。湿気でやられちゃった感じ?」

「ははっ……そんな感じー」


金髪のキレイな髪をなびかせて、薄いピンクの折り畳み傘を開いた。


まさか俺を入れて………そんなことないか。


「帰んないの?」

「気持ちはすっげー帰りたい。さすがに、この雨じゃ……なっ」

「………板チョコ3枚」

「ん?」

「だから……板チョコ3枚で入れてやってもいいってこと!バカ!変態!」


変態は余計だけど………


板チョコ3枚なんて安いもんじゃん!


「お邪魔しまーすっ」


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