自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー

狭い折り畳み傘に肩が触れる距離で、蘭子ちゃんの隣を歩く。


もちろん、傘は男の俺が持つ。


「傘、寄せすぎ。アンタ濡れるじゃん……」

「俺は頭さえ濡れなきゃいーの。蘭子ちゃんが風邪引いて学校休むの嫌だし」

「なんで？あたしが休もうと関係なくない？」

「関係あるよ。蘭子ちゃんがいないと、つまんねぇもん」


俺が笑うと、頬を赤くして下を向いた。


照れた顔をこんな間近で見られるなんて……


俺幸せすぎてもう、このどしゃ降りの中走れるよ！？



俺と蘭子ちゃんの駅は真逆。


側にいれないから、ここがちょっと悔しいとこかな。


「じゃ、俺こっちだから。傘入れてくれてありがと！」

「あっ……ま、待って！」

「どしたの？」

「傘……使っていい。貸してあげる。電車降りたら、駅まで親迎えに来るらしいから…」

「いいって。気持ちだけもらっとく！」


それでも俺に、ずいっと傘を差し出す。


そのせいで、蘭子ちゃんの金髪が少し雨に濡れた。


「分かった！じゃあ、蘭子ちゃんの駅まで送ってく。んで、そのあと傘借りるな」


数回頷いて、また二人で狭い折り畳み傘に入った。


なんで、こんなに優しくて可愛い子なのかな～……。


恋愛感情として、めっちゃ好き。