自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



【蘭子side】



狭い家の中に、オーブンからクッキーの甘い匂いが充満する。


明日もアイツが来るはず。


だから褒めてくれたクッキーを多めに作った。


「蘭~。最近、クッキー作りハマってんだね」

「ん。友達の影響で、ね」


お母さんがあたしの後ろから、興味津々に話しかけてくる。


お菓子作りは嫌いじゃなかったり……。



「好きなヤツでも出来た?」

「そ、そんなことあるわけない!好きなヤツとかいないし……」

「嘘つくなって~♪なに?どんなヤツ?カッコイイ!?」

「……うちの高校のトップ」

「お母さんにそっくりじゃーん!ま、お母さんは総長だけどねっ♪」


言われてみればそっくりかも。


どっちにしろ人の上に立ってる人をあたしもお母さんも好きになった。


………これじゃあ、好きって認めたみたいじゃん。


好きじゃないっつーの!!


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