自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
相変わらずあきずに降り続ける雨。
そんな雨降りの外を眺めていると、昼休みのチャイムが鳴った。
「蘭子ちゃん!今日は、チョコレートケーキ作ってみたの!」
「ありすはすごいね。いつもよく作って来る……」
「蘭子ちゃんだって!蘭子ちゃんのクッキー日に日においしくなってくもん」
あたしが作ったクッキーを満足そうに一口食べて、ふにゃっと笑う。
喜んでくれるありすは可愛い。
「蘭子ちゃん!今日もクッキー作ってくれた!?」
ほら、今日も来た。
ニコニコ笑って、クッキーを食べて「うまい」って褒めてくれる。
喜んでくれるって思いの外嬉しいし……。
「はぁー……やっぱりここにいた。諒哉、さっき担任呼んでたけど」
「銀!どんな感じだったー?」
「そりゃあ、もう……怒ってて目も当てられないほどに」
「ほっとけ。俺はあんな、おっさんに説教させるより蘭子ちゃんといた方がいいもーん」
あたしの金髪の毛先をくるくる指に絡めて遊ぶ。
こんなくだらない仕草にドキッと高鳴る……。