自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
向かいに座るありすが音瀬を見詰めて、ボケーっとしてる。
この二人って絡みあったっけ?
「あのっ……この前は……ありがとうございました!」
「あー……いや、気にしないで。俺の勝手でしたことだから」
「銀とありすちゃんて、なんかあったの?」
さりげなく聞く桜井諒哉に、ありすは頬をピンクに染めて話す。
「私がナンパにあってる時に、音瀬くんが助けてくれたの!それが、すっごく嬉しくて……」
「へぇ~。銀が人助けするなんて珍しいじゃん?」
「困ってたから助けただけだよ。ね、若本」
「うんっ。ありがとね、音瀬くん」
この二人付き合っちゃえばいいのに。
なんて、ことは心に留めといてチョコレートケーキを一口食べた。
うん、甘いだけじゃなくてほんのり苦くておいしい。
「蘭子ちゃん。あーんして?」
「しない。自分で食べられるでしょうが」
「無理ー!蘭子ちゃんに食べさせてもらったらおいしさ倍増!」
「言い訳いらない」
唇を尖らせていじけた表情。
そんな顔したって知らないんだから。