自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



だけど、ここ最近は疲れてるせいかあたしの頭の中がおかしい。


それは何もない、ふとした瞬間によぎる。


例えば授業中の今だってふわっとあたしの脳内に侵入。


腹立つ……。


けど、否定する度に胸が痛む。



桜井諒哉………とうとうあたしの脳内と心まで侵入する気?



「蘭子ちゃん?」

「……あっ、うん。どうしたの?」

「プリント回そうと思って……」


ありすが右手にプリントを持って、不思議そうな顔であたしを見る。


あたしそんな変な顔してたか?


「ふふっ、蘭子ちゃん幸せそうな顔してたよ。女の子!って感じの」

「それってどんな顔よ……」

「う~ん……恋でもしてるような」

「してないってば」


「そっか」と首を傾げてありすは前を向き直した。


恋………


恋って、好きってどんな感情?


小学生の時にクラスで人気者の男子を好きになるような感覚?


いや……もっと大切な感情なのかな。


「はぁー………」


ため息一つ吐き窓の外を見れば、グラウンドで男子がサッカーをしてる。


アイツは……いないか。



ほら、こうやって自然とアイツの姿を探しちゃう。


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