自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
ずっと、アイツのこと考えてボケッとしてたあたしはすごくバカ。
これでもかってほど雨が降り、水溜まりの出来た地面を叩き付ける。
今日に限って傘を忘れた……。
朝はあんなにカンカン晴れだったのに。
冷たい冷気が足元を包み、梅雨のジメジメした季節なのに寒い。
ひたすら、玄関で雨が止むのを待つ。
「お姉さんっ♪一緒に雨宿りいい?」
「勝手にすれば」
いつもの笑顔であたしの隣に立ったのは、桜井諒哉。
なんだろ………桜井諒哉が来た瞬間に、心臓がドキドキ主張する。
意味分かんないんですけど……。
「昼から降ってんのに、なかなか止まねぇな~」
「そうだね」
「コンビニ走って傘買って来よっかな?」
「そんなことしたら、桜井諒哉が風邪引くじゃん」
「蘭子ちゃんが俺の心配してくれた~!看病よろしくねっ」
「黙れ」
恥ずかしい………。