自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
雨の中、生徒は傘をさしてどんどん帰って行く。
その内人通りの少なくなる玄関。
いつまでも雨宿りするより、ほんとにコンビニまで走った方が早いかも。
「あたし帰ろっかな。止まないし」
「ダメだって!蘭子ちゃんが風邪引く!」
「その心配無用。自分の心配したら?」
「待って!その………話したいことあるから、まだ帰んないで」
真面目な顔であたしの手首を掴む。
その視線にやられてあたしは目を逸らした。
まだ………帰んない。
「この前さ……近々告白するって言ったじゃん?」
「さぁ………覚えてない」
「今から告白するから。ちゃーんと聞いとけ」
ほんとは覚えてる。
あの時に、完全にあたしの心に入ってきたのがアンタだから。
「俺だけの特別な女になって。絶対守るし、離さないから。付き合おっか?」
うるさいくらいにドキドキして、あたしを急かす。
これが好きって感情なの?