自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー



雨の中、生徒は傘をさしてどんどん帰って行く。


その内人通りの少なくなる玄関。


いつまでも雨宿りするより、ほんとにコンビニまで走った方が早いかも。


「あたし帰ろっかな。止まないし」

「ダメだって!蘭子ちゃんが風邪引く!」

「その心配無用。自分の心配したら?」

「待って!その………話したいことあるから、まだ帰んないで」


真面目な顔であたしの手首を掴む。


その視線にやられてあたしは目を逸らした。


まだ………帰んない。



「この前さ……近々告白するって言ったじゃん?」

「さぁ………覚えてない」

「今から告白するから。ちゃーんと聞いとけ」


ほんとは覚えてる。


あの時に、完全にあたしの心に入ってきたのがアンタだから。



「俺だけの特別な女になって。絶対守るし、離さないから。付き合おっか?」



うるさいくらいにドキドキして、あたしを急かす。


これが好きって感情なの?


< 64 / 324 >

この作品をシェア

pagetop