自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
立ち尽くしたまま、時間が止まってるみたいに空気が流れる。
頬が熱くなってあたしは俯く。
だって、絶対に顔赤い……!
「で……俺の彼女になってくれる?」
「……条件。浮気したら許さない」
「当たり前!俺が惚れてんのは、蘭子ちゃんだけだもん」
得意気に笑ってあたしの左手の指先に、桜井諒哉の指先が触れた。
指先が触れるだけで鼓動が早くなる。
あ………あたし、きっと好きなんだ。
繋がれた手が、恥ずかしいのになんか嬉しい。
「初めての手繋ぎ~♪」
「うっさい………」
「素直になれって!諒哉って俺のこと呼んでみ?」
「よ、呼ばない。別に用ないし」
「積極的な彼女希望!」
そんな………いきなり名前で呼べるわけないじゃん。
諒哉って呼んでみたいけど、素直に呼べないのはあたしの可愛くないところ。
これから、もっと釣り合うような彼女になれたらなぁ………なんて。