自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
雨上がりの空に一筋の虹。
キラキラ輝くグラウンドを見下ろせる屋上で、アイツを待つ。
昨日から降り続いた雨は止み、景観はキレイ。
「蘭子」
「あ……やっと来た。遅い」
「ははっ!ごめーん。生活指導から逃げててさ。はい、お詫び!」
桜井諒哉がくれたのは、冷たいオレンジジュース。
付き合って1日目の初めてのプレゼント。
「ありがと……」
「蘭子ちゃんもっと笑ってよ~。まだ俺に慣れてないしょ?」
「全く慣れてない」
「直球にも程があるー!んー……でもこれからゆっくり時間作ろ」
そう言ってあたしの頭を撫でた。
頭撫でられることさえ、まだ慣れないな……。
内心は嬉しいのに素直に喜べなくて、冷たい女って思われる。
もうちょっとだけ可愛い女になりたい。
「蘭子!虹!虹出てるよ!」
「知ってる。……諒哉」
「……へ?い、いいい今、諒哉って呼んだ!?もっかい!もっかい呼んで~!」
ゆっくり進ませる恋も、自由人なあたしらしくていいかも。