自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
暑さに負けないほど好き
【蘭子side】
7月に入り、蒸し暑くて黙ってても汗が滲むほど。
なのに、アイツは夏とか暑いとかそんなの関係ないらしい。
「蘭子~♪」
「暑い。離れろ。うるさい」
「俺も暑い!一緒だね」
「気温何度か知ってる?」
諒哉は、あたしから離れて教室の温度計をチラッと見に行った。
いつものニコニコ笑顔でまた、座ってるあたしに後ろから抱きつく。
「28度!あっついなっ!」
「そう!暑いの!だから、離れてほしい。分かる?」
「離れてる時間もったいねぇじゃんか!」
「ほんとにヤーダ」
あたしが腕から抜けると、ありすが面白そうにケラケラ笑う。
その隣で音瀬と鬼田も笑ってる。
笑ってないで助けろ。
諒哉にベタベタされるってことは自然と女子の視線も痛い。
ま、気にしないようにはしてるけど。