自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
ごく当たり前になった二人で帰る習慣。
学校を出てから、基本は向こうがあたしの手を繋ぐ。
「手、繋ぐしょ?」
「……繋ぎたい?」
「とっても!蘭子の手冷たくて気持ちいもん、夏はな」
「あっそ……」
目をキラキラさせてあたしの左手にそっと、触れた。
手が冷たいのは低体温のせい?
まぁ、でも諒哉が笑ってるんならそれでいいや。
諒哉の笑顔はあたしの心を落ち着かせてくれるから。
「暑いなぁ~。海でも行きたいね!」
「泳げないし、焼けるし、暑いし、利点が一つもないので却下」
「えー!!行こーよ!あ、ほら!夕方とか行ったらちょーどいい」
「そんな近くにないじゃん」
「俺、バイク持ってるし~♪」
海は苦手。
ほんとに泳げないし、中学の時行ってもあんまり楽しくなかったから。
泳げない人はおいてけぼり。
だから、午前中に行こうが夕方に行こうが関係ないじゃん。
………なんて、はりきってる諒哉には言えない。