自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
ようこそ桜井家へ
【蘭子side】
ジリジリと容赦なく照り付ける太陽が表すのは夏本番。
夏休み最中の8月、あたしは一人で学校近くまで来てる。
たまに、ふらりと一人で出掛けたくなる時あるから。
長い金髪が暑いからポニーテールにして揺らす。
踵の高いサンダルで少し足が痛くなってきた………。
駅を歩いてると真向かいから、とても見覚えのある制服姿の男。
金髪で今日は前髪をピンでとめて、ダルそうな顔で歩いてるけどその横には………
幼稚園児っぽい小さな男の子。
幼稚園の制服?着てる。
「諒哉……?」
「ら、蘭子!?」
………動揺し過ぎでしょ。
何をそんなに慌ててるんだか。
諒哉と手を繋いでる小さな男の子が、キョトンとした顔であたしを見上げた。
「お兄ちゃん!だぁれー?」
「え、あ、お兄ちゃんの大好きな人」
「いや、ちょっと待って。お兄ちゃん?」
「ははっ……蘭子に言ってなかったよな。俺の弟の秋哉(シュウヤ)。5才の絶賛幼稚園児!」
うん……確かに諒哉に似てる。
くりっとした素直そうな目とか、薄めの唇とか。
金髪にしたら完全に諒哉じゃん。
可愛い………。