自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
秋哉くんは諒哉の手を離して、あたしの手にそっと触れた。
あったかい……。
「お姉ちゃん好きー!ねぇ、お名前なんてゆーの?」
「ひ、引地蘭子、です……」
「蘭子ちゃん!うーん。決めたっ!秋哉おっきくなったら蘭子ちゃんと結婚するぅ」
「ふざけんなっ秋哉!蘭子と結婚すんのは俺だっつーの!」
「二人ともやめて。ここ駅」
兄弟揃って性格そっくり。
秋哉くんは可愛いから許すとして………
このでっかい金髪男が問題!
「蘭子はお出掛け?」
「特に当てもナシにね。諒哉は?」
「単位足りなくて補習。で、幼稚園の延長保育行ってた秋哉を親の代わりに迎えに来たわけ」
「ちゃんとお兄ちゃんなんだ」
「当たり前~♪」
それにしても、秋哉くんが手を離してくれなくて困る………。
こんな小さくて可愛い子の手を振り払えるわけないし。
そんな姿を見て諒哉は遠慮がちに言った。
「秋哉。蘭子と遊びたい?」
「遊びたーい!」
「とゆうことで、蘭子!俺んち来ない?」
はぁー!!?
いきなり諒哉んち!?
意味不明。