自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
あたしがさっと写真から離れた時には、もう遅くて諒哉が後ろから抱きしめてくる。
もうタバコの匂いはしない。
ほんのりと香水のいい匂い……。
「この写真ね、俺が小4の時の。ちなみに横に写ってんのは大地と銀!」
「幼い…」
「だろ~?んで、隣の女の子が俺らの幼なじみ」
「可愛いー……美少女だ」
「このあとすぐ地方に転校しちゃったけどな。仲良かったよ。ふつーに」
懐かしそうに話す諒哉の横顔。
当たり前だけど、この時まだあたしは諒哉と出会ってなくて。
あたしが知らない時を知ってる美少女。
なんか胸ん中モヤモヤするんですけど。
「好きだった?この子」
「好きって感情はなかったかなぁ~」
「この子は、あったかもじゃん。諒哉は好きじゃなくても」
「あ……もしかして妬いた?」
「やっ、妬く?」
妬くはずない。
あたしが諒哉に妬くはずないじゃんか。
………なんて否定する度に胸が痛い。
「嫉妬した。悪い?」