自由人女子に一目惚れした天真爛漫ヤンキー
好きの大きさどれくらい
【蘭子side】
少しだけ肌寒くなってきた秋の夕暮れの空の下を諒哉と歩く。
今日はバイクじゃないから、手繋いで。
学校から駅の中間地点でいきなり立ち止まった。
何事………。
「俺のことどんくらい好き!?」
しかも、その期待の眼差し。
親指と人差し指をくっつけて「これくらい」って見せればリアルにへこんだ顔。
へし折っちゃった?
だけど、こんなんでめげないのが諒哉。
両手を広げて全身で表現する。
「俺はすげーもう、こーんなに好き!ヤバイかんな!?」
「知ってる」
「俺の愛伝わってた?よかったぁ~♪」
「気持ち悪いぐらい伝わってるから安心して」
「気持ち悪いは余計だよ!」
ブーブー文句言う諒哉から目を反らした。
こんな熱が集中した顔を見られたくない。
手から伝わる熱にでさえ、心臓がドキドキするってのに………
調子狂う。