女装趣味とヘタレと同級生
「俺なんかした?美夜に避けられることなんかした?」
俯いていて顔は見えないが、声からして泣きそうな顔だろう。
声が震えているから。
「きーちゃんは悠ちゃんが好きなんでしょ?あたしに避けられてたって何の問題も無いでしょ?」
ギッと睨みながら言うと吃驚した顔をされる。
少しの間きょろきょろと視線を泳がせた後俯いた。
でもすぐにポツリと何かを呟いた。
「え?」
「何でそんなこと言うの」
切なげな声と言葉にじわっと涙が滲み唇を噛む。
「確かに悠の事は好きだったよ。けど」
「あたしだって!!」
きーちゃんの言葉に被せるようにして叫ぶ。
手の平をグッと握り締めて顔を上げる。
「あたしだってきーちゃんが好きだよ」